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未来工作BLOG

2017.09.27

【プログラミング教育】飯田市立緑ヶ丘中学校(アイディアソン)

こんにちは。
未来工作ゼミのハカセ。よーだです。
8月28日~9月1日にかけて飯田市の飯田市立緑ヶ丘中学校でアプリ開発講座を開催しました。
本講座はプログラミング教育実証事業の一環で実施されています。

講座の概要

今回は飯田OIDE長姫高校の生徒さんがメンターとなり、実証事業の対象校である飯田市立緑ヶ丘中学校のみんなとアプリ開発に挑戦します。

メンターとは
メンターとは指導者、助言者という意味で、プログラミング教育時に学習者に対してアドバイスや指導を行う人の事をさします。

1日に70分の講座を5日間、以下のスケジュールでScratchを使ってアプリケーションを開発します。
初日と2日目のアイディアソンの様子をレポートします。

  • 1日目:アイディアソン(アイディアの抽出)
  • 2日目:アイディアソン(アプリケーションの設計)
  • 3日目:アプリ開発作業
  • 4日目:アプリ開発作業
  • 5日目:アプリの仕上げと発表会

アイディアソン

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緑ヶ丘中学校ではコンピュータ部の部員15名が講座に参加してくれました。これまでの講座と同様にチームに分かれてアプリケーションを作っていきます。
さっそく3つのチームに分かれて自分たちが挑むテーマとチーム名を決めていきます。今回のテーマ候補は以下の4つです。

  1. 給食の献立がすぐ分かるようにしたい
  2. 学級の班決めを手早くしたい
  3. 各教室の電気の消し忘れをなくしたい
  4. 退出物の確認を楽にしたい

先生達は日頃いろいろな問題を抱えているようです。日ごろの部活動の成果を活かして、コンピュータを使って解決してもらいたいと思います。
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シアターチームが選んだテーマは「退出物の確認を楽にしたい」でした。このチームは初日にメンバーに欠席者が出てしまい、少人数での挑戦となりましたが、メンターと力を合わせて頑張ります。
緑ヶ丘中学の講座では、これまで紹介してきた実証校と違い、1日1コマを5日間通して実施していきます。初日の今日はまずは構想を練ります。どうして解決したいと思ったのだろう。どんなアイディアがあり得るだろう。を話し合って紙に書きだしていきます。
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「学級の班決めを手早くしたい」というテーマに挑戦するのはトライアングラーチームです。早くもアイディアが出ているようで、班を決めるときに抽選するアプリを作ろう。と作るものの形が見えている様子。
男女がきちんと分かれるようにしないといけないね。目が悪い人が後ろの席にならないようにしないと。など、班を分けるときに注意するべき事を話し合いながら明らかにしていっていました。
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コンピュータ部の部長もメンバーとなっているスカイピースチームは「退出物の確認を楽にしたい」という課題に対してみんなで話し合います。
メンターも含め6人を超える大所帯となって話していると、実に様々な意見が飛び交います。
ですが、これは講座をある程度進めていて気が付いたのですが、メンバーが多すぎても議論がまとまらなかったり、意見を言えない人が出てしまうようでした。教育にお詳しい、さる方にお聞きしたところ、こういう場合はおおむね三、四人がベストとのことでした。次回以降があれば気をつけたいポイントです。
ともあれ、スカイピースチームはコンピュータ部部長が意見を取りまとめてくれたおかげもあり、なかなか面白い着眼点で退出物の確認を楽に。する事となったようでした。

1日目の発表

開発のリズムを作るため、毎回少しずつまとめシートを書いて、発表するようにしました。
1日目はどのように議論がまとまったのでしょうか。

チーム:スカイピース

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初日にスカイピースチームが「退出物の確認を楽にしたい」というテーマに対して出したアイディアは、提出物(宿題)をなくしてしまえばそもそも確認しなくてすむ。という逆転の発想でした。
アプリのイメージは、みんなが宿題がなくとも自主的に勉強してくれるようにするため、楽しく遊びながら学べるように勉強をゲーム化してしまおう。というある種未来工作セミの目標にも近いものに。
スカイピース_構想シート
スカイピース_構想シート

チーム:シアター

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「退出物の確認を楽にしたい」というテーマに挑戦するもう一つのチームシアターは、提出物を出したくなるように工夫しよう。という正攻法なアプローチでした。
クラスごとに提出物を出した時に情報を登録して、ポイント化。クラスごとに競ったり、ご褒美を出せるような仕組みにして、クラス全員で提出物をきちんと出せるようになることを目指せる仕組みをアプリケーションで作る事となりました。
シアター_構想シート
シアター_構想シート

チーム:トライアングラー

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トライアングラーチームは「学級の班決めを手早くしたい」というテーマに対して、いつものくじ引き以外の方法で席を決められるアプリケーションを考えていました。
男女の別や席の位置などもアプリケーションで管理してくれるので、先生も楽ちんです。生徒としてもくじではなく、ダーツとサイコロで視覚的に楽しく班決めできるようにするところがこだわりのポイントでした。
トライアングラー_構想シート
トライアングラー_構想シート

2日目の発表

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1日目は構想を話し合って、あっという間に終わってしまいました。2日目は構想シートをみんなで見ながら、実際にどんなふうに動くアプリケーションにしようか設計をしていきました。
各チーム、どんなアプリを目指すのでしょうか。

チーム:スカイピース

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スカイピースの目指すのは、提出物の確認を楽にするために、提出物自体をなくすアプリです。
その方法は提出物(宿題)のゲーム化。みんなかかってに勉強するようになれば提出する必要はなくなります。具体的には、英国数理社の五教科の宿題をそれぞれ五つのジャンルの違うゲームとして一つのアプリにまとめます。
国語をシューティングにする?社会がRPG(ロールプレイングゲーム)になる?など、チーム内でそれぞれ五教科を担当する人を決め、それぞれにゲーム化のイメージを固めた様です。
スカイピース_設計シート
スカイピース_設計シート

チーム:シアター

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シアターチームは提出物をクラスごとにカウントしてポイントを付けることのできるシステムを考えました。
面白いのは設計中に出てきたアイディアで、クラス内で男女ごとに分けて提出物の集まり具合を数えて、提出率を比較してみた目で表示するシステム。クラス別だけでなく、クラス内でも競争意欲を出すことでさらに提出物の集まりをよくしようという試みです。
画面の遷移図も丁寧にかけていて、明日からの開発の下準備としては万全です。
シアター_設計シート
シアター_設計シート

チーム:トライアングラー

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班決めを手早く行うためのアプリを設計したトライアングラー。単純なくじではなく、ダーツ飛ぶシーンやサイコロが転がって席順が決まるなど、視覚的に楽しい事にこだわっているようです。
自分の手でダーツを飛ばしたいけれど、手早くやらなければいけないので、いつまでもダーツが飛ばないのは困る。それでは制限時間を付けよう。と言ったように楽しさと利便性のバランスも話し合いで決めました。制限時間がある事を操作者に教える注意書きの画面も忘れません。
見た目にも楽しく、細部へのこだわりもあるアプリができそうな設計となりました。
トライアングラー_設計シート
トライアングラー_設計シート
※設計シートの画面デザイン画は別紙に書かれたものをはめ込み合成しています。

むすび

緑ヶ丘中学校では、1日目のテーマ決めと構想、2日目のアプリの設計と言う様に、ここまでの実証校で1日で行っていたアイディアソンを2日に分けて実施しました。
しっかりまとめシートを書いて、発表を経ておいたおかげで、翌日の内容をチームごとに振り返って話し合いを始める事が出来たので、とてもよかったように思います。
現実の開発でも同じですが、議論の内容や決まった事などは、きちんと資料として残しておくことが重要です。
この学校も他の実証校に負けず劣らず面白いアイディアで設計ができました。最終的にどのようなアプリケーションが完成するのか、楽しみです。

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