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未来工作BLOG

2018.05.16

デザインフェロー養成プログラム 集中演習レポート タケさん編

こんにちは。
未来工作ゼミのジョシュ、タケさんです。
4/28(土)、29(日)にFabLab長野で行なわれた、信州デザインフェロー養成プログラム第1回目にスタッフとして参加しました。
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MITメディアラボ 村井裕実子さんの指導の下、主にBBCの「micro:bit」とFabLab長野と未来工作ゼミの新作「Keyたっち」を使ったモノづくり(クリエイティブラーニング)体験と、MITの「Scratch」を使ったプログラミング体験を通して、プログラミング教育による創造的思考力やプログラミング的思考力などを養うための授業づくり、教材づくりについて、長野県各地の教職員、教育関係者による意見交換や情報共有を行ないました。

ライフロング・キンダーガーテン創造的思考力を育む4つの原則
著者:ミッチェル・レズニック(著),村井 裕実子(著),阿部 和広(著),酒匂 寛(訳)
(日経BP社 ISBN 978-4-8222-5555-8)

この本を実体験してみた、という感じでした。

はじめに

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なぜデザインフェローなのか、なぜプログラミング学習なのか、なにをやるのか、まずは考えたり確認したりしました。

さっそく実践

BBC micro:bit

BBC の micro:bitは非常によくできています。2千円程度、手のひらサイズであるにも関わらず、加速度センサ、光センサ、デジタルとアナログの切り替えが可能な複数の入出力端子などを備えている上に、プログラムは Scratch と同様にブラウザ上でブロックを並べるだけで作成でき、シミュレーションまで行なうことができるのです。
さらに、出来上がったプログラムはUSBフラッシュメモリのようにファイルをコピーするだけと非常に簡単で、書き込みに必要なものもUSBケーブルのみです。
みなさん、プログラムは作ったことがないような感じでしたが、少しの説明と資料で簡単なものなら作れるようになりました。
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この辺の限られた材料だけを使って作っていきました。
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もしや限られた(いわゆるマジックナンバー7±2程度の)種類の素材だけを用意しておくことで、多すぎず少なすぎない創造の環境が整うのではないか?と思ったり・・・。
未来工作ゼミも少しだけ参戦。
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某ドラゴンも見学していましたよ。
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試行錯誤の結果

教育長ご夫妻も加わり・・・
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こんなものが・・・!
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まさに、Kindergarten(幼稚園)のようでした。

振り返ってみて

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クリエイティブラーニングの体験を振り返ってみると、必ずしも想像するところからは始まっておらず、遊ぶところから始まっていたり、いじるところからだったりしました。どこから始まっても良いんだ、ということや、スパイラルの中や外のどこへ移っても(飛び火しても)良いこと、共有したり、振り返ってみたりすることも重要、とのことでした。

感想とまとめ

  • プログラム、micro:bit、Keyたっち を含めて、何ができるか、何が作れるかわからない状態ではあまり興味は湧かない様子でしたが、知れば知るほど「これで何を作ろうか」と考え始めて、だんだん楽しくなっていったように見えました。
  • やりたいことやできることに対して多数のサンプルなどを用意しておいて、キーワード検索するとアニメーションとプログラムが表示されるなど、すぐに提示できる、Scratch のような検索、共有、公開の仕組みがあると良さそうです。
  • micro:bit も Scratch も、初めて触る人でもプログラムは簡単に作れるけれども、いざ実現したいことをプログラムにするには、やはり慣れ(ある程度の実践経験)が必要で、特に、実現したいことをプログラムにするためには、プログラムのブロックと手順、その他の技術的な情報などについて、ある程度把握しておく必要があるように感じました。少なくともブロックやいくつかの文法的なルールについては、可能な限り初期の段階で説明した方が良いようです。
  • 「どうすればうまくいくか」を考え、うまくいったパターンを繰り返し、精度を上げるなどしてさらに目標に近づける、というような行動が、まさに「学習している」ということなんだろうと感じました。(制御工学等の用語で言うところの、feed-forward と feed-back の両方)
  • プログラミング教育だからといって、必ずコンピュータを使わなければならないというようなルールや法律はないので、コンピュータなどを一切使わないプログラミング教育が一部にあっても良いのではないかとも思いました。例えば、よく見かけるであろう自動ドアやエレベータなどの動作を詳細に検討し、文章化してみるという過程で、プログラミング的思考が行なわれているか、そのような思考が必要になると考えられます。
  • 高尚な理論よりもたとえ稚拙でも今回のような実践の方がはるかに重要かつ必要で効果的だと感じました。教育方法については、「安心して何度でも失敗でき、その際に誰も困らない」ということを容易に実現できる、ソフトウェア(コンピュータ内で完結するプログラミング)が適していると考えられますが、画面の中だけでしか動かないというものに興味を持ちにくい人や、その逆の人も存在するようですから、ソフトウェアだけという方法に限らず、今回のようなハードウェアとソフトウェアの両方を必要とするような方法も良いのではないかと感じました。
  • 教育や遊び等の際には、あらゆる素材や部品を自由に利用できる環境が整っていることが理想であると考えがちですが、それは現実的ではありません。また、種類が多すぎると迷っている時間が長くなり、判断や考えることに疲れてしまって作るところまで進まないことも多いと思います。完全に自由で、なんでもあるという状況よりも、ある程度の制限があった方が発想しやすいはずです。これらのことから、種類や情報は「多すぎず少なすぎない」ということも重要なのではないでしょうか。

 

番外編:

1日目の終わりに、信州大学しなのき会館にて。
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長野県の阿部知事による乾杯で宴会開始。
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長野県の阿部知事、信州大学の村松教授、アソビズムの大手社長によるVIP会合。
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もぐもぐタイム。
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MIT 村井さんによる締めで1日目終了。

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