BLOG

未来工作BLOG

2018.05.24

デザインフェロー養成プログラム 集中演習レポート アベちゃん編


こんにちは!
未来工作ゼミのハカセ、アベちゃんです。
今回はFablabで行われたデザインフェロー養成プログラムの集中演習に来ています。

見て下さい、なんだか面白そうなオモチャや工作道具がたくさんあります。
これらは、今回ここに集まった皆さんが、「学習のために」使う立派な教材です。

実は、ここに集まった人たちはみんな、学校の先生たちなんです。
みんな遊んでいるように見えるし、学校の教室の様な雰囲気じゃありませんが、いったいどんな学習が行われるのでしょう?
今回は、そんなデザインフェロー養成プログラムの様子をお伝えします。

先生たちと「学習」の学習会

4月28日と29日の2日間、FabLab長野で実施されたデザインフェロー養成プログラムに、長野県教育委員会のもと20名弱の学校の先生たちが集まりました。
みなさん対象学年も教科もバラバラですが、これから始まるプログラミング教育の重要性にいち早く気付かれた有志の先生たちです。

デザインフェロープロジェクトのフェローとは、仲間、共同体、と言う意味です。
ここに集まった学校の先生と本プログラムの実行部が一丸となって取り組む集まりとなっています。
数か月に渡る、この集まりの目的は、これから始まるプログラミング教育をテーマとして、授業のデザイン(設計)を共に考え、実際に各学校で実施するというものです。

この日は、集まりのキックオフ回として、プログラミング教育のその狙いは何か、大切なことはどんなことか、を取り上げ、そこから「学習」に対する取り組み方を考える集まりでした。

そもそもなんでプログラミング教育?


今回キモとなる学びのキーワードは、本プログラムにご協力頂いている米国MITメディアラボの提唱する「クリエイティブラーニング(創造的思考)」でした。
クリエイティブラーニングの考え方は、これから急激に変化していく時代や状況に必要なこととして、「ルールややり方に従うことができる」ことよりも、「目標と戦略を自ら創造することができる」ことで、そのためには創造的に考え行動を行うための教育が大切である、というものです。

例えば幼稚園で子どもたちが積み木のお城を作る時、自然とその構造や物理特性が理解されていきます。
こうした創造的な過程を経ることで、人はまさに創造的思考力を高め、新しいアイデアを生み出すことを学ぶことができます。

そこで、プログラミングを、ただの技術として見るのではなく、何度もやり直しができ、様々な表現ができる道具だとして捉えると、クレヨンや粘土のように、創造的な学びを得るにはピッタリの教材であることがわかります。
今日の集まりでは、学校の先生には、生徒になったつもりで、プログラミングをひとつの道具として扱ったクリエイティブラーニングに則り授業を受けて頂きました。

今回の授業では、お題や課題などが与えられ、先生たちは、教材である会場のオモチャや電子部品を使って、その解決に向けてアイディアを実現させていきます。

単にツールの使い方や仕組みの説明をするのではなく、道具を使って「何ができるか」に着目し、自分たちで考えた問題解決の実現に向けて思考錯誤を試みる事こそが一番の学びとして、取り組みました。

授業の最後に、先生たちは今回の授業を受けてどう感じたか、自分ならどう授業を設計しようと思ったかを共有しあいました。

むすび

2020年度から始まるプログラミング教育に向け、文部科学省では次のように解説されています。

小学校段階において学習活動としてプログラミングに取り組むねらいは、プログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技能を習得したりといったことではなく、論理的思考力を育むとともに、(中略)身近な問題の解決に主体的に取り組む態度や(中略)教科等で学ぶ知識及び技能等をより確実に身に付けさせることにある。
(小学校学習指導要領解説 総則編 一部抜粋)

ここでも大切だとされていることは、プログラミングの技能よりも、論理的に物事へ取り組む事であるとされています。
プログラミングの授業、と聞くとやることが難しそう、覚えることがたくさんありそう、というイメージがどうしても先行してしまいがちです。
しかし理科や図工の授業を習うからといって必ず科学者や美術家を目指さなければいけないという訳ではないことと同様に、誰しもプログラマになれるようなプログラミングをしなければいけないかというと、そうではありません。

自分のやりたい事・表現したい事を簡単に、そして楽しく出来るツールとして、プログラミングを捉えると、これからの教育の可能性がさらに広がって見えます。
今回の養成プログラムで集まった教育の最先端にいる先生達をはじめ、各自治体や学校、民間事業者が一体となって、プログラミング授業、ひいては学校での学習そのものがワクワクするようなものに出来ることを楽しみにしています。
引き続き、デザインフェロー養成プロジェクトの続報をお楽しみに!
アベちゃんでした。

この記事をシェアする

一覧へ戻る

TOP